第6章 乙骨憂太 君の全てに嫉妬する
乙骨side
営業が終わって
今日一緒に働いた沢山の人達がお礼を言いに来てくれる
大勢に囲まれているちゃんの姿
改めて人に好かれる子だなぁと実感させられた
それに指名、売上過去最高
全店舗一位という快挙
本当にすごいなぁと思っていると
いきなりこてんとソファに寝転んで
赤ちゃんのような体勢で眠り始めてしまった
真っ赤な顔
さっきVIPルームで見た時から怪しいと思っていたけど
お酒を飲まされてたみたいだし
これだけよく頑張ったんだ
眠っちゃっても仕方ない
「好きなんでしょ?」
「えっ?!」
「好きで好きで堪らないって顔してる」
眠ってしまったちゃんにスーツのジャケットをかけてあげているとこの店のNo. 1キャバ嬢の女の子がにやりと僕をみていた
「えっ‥えっと‥」
「いいなぁ〜私もそんな重たい愛、向けられてみたい」
「重たい‥ですか?」
「うん。見てたら分かる」
にっこりと微笑むその人
「ちゃんも乙骨さんのスーツ姿かっこいいって言ってたよ‥休憩でいなくなった時はキョロキョロ探してて超可愛かったし」
そう言うとバイバーイと言いながら更衣室へ向かって行ってしまった
「2人とも今日はお疲れ様!ちゃん‥は熟睡してるようだし、荷物と着替えはまとめてタクシーに預けたからそのまま帰ってもいいよ!」
「えっ?僕のスーツとちゃんのドレスは‥?」
「2人ともとっても似合ってるからあげる!お店もこんなに盛り上げてくれてほんとに感謝してる!ありがとうね〜」
すでに僕の荷物や着替えもまとめて預けてくれていたみたいで
眠ったままのちゃんを抱き抱えて立ち上がる
「では‥お世話になりましたっ‥」
深く頭を下げるとみんなが大きく手を振ってくれている
そんな皆んなを背に近くに呼んでくれていたタクシーまで歩いていると沢山の男達に声を掛けられる
「その子、キャバのねぇちゃん?お持ち帰りしたの?羨ましい〜」
「寝てるけど絶対めっちゃ可愛いじゃん!今からホテル行くんでしょ?俺たちも混ぜてよ〜複数プレイとかどう?!」