第6章 乙骨憂太 君の全てに嫉妬する
七海side
五条さんが任務を放り出していなくなった
「ほんと‥信用ならない人だ‥」
仕方なく手分けして片付けるはずだった仕事を1人で片付けて
呪術高専へ電話をする
「突然すみません。さんは今日なにか危険な任務に行かれていますか?」
五条さんが仕事を放りだすなんてさんの事以外に考えつかない
案の定今日の任務は色んな意味で危険すぎた
誰から聞きつけたか知らないが
十中八九
そのキャバクラへ向かったに違いない
「やれやれ‥迎えに行くとしますか」
さんの事も気掛かりだ
汚れたスーツを脱ぎ捨ててネクタイを後部座席へ放り投げる
そのまま教えてもらったお店へ急行すると一部のボーイ達がざわざわと慌ただしく動いていた
「連れが中にいると思うのですが案内してもらえますか?白髪で大柄の目隠しをした大人‥といえば分かりますよね」
「五条様のお連れ様ですね!こちらへご案内致します」
そう言うと煌びやかな店内のさらに奥
扉からして高級感の漂うVIPルームへ案内された
中に入るやいなやバランスを崩したさんが私の胸へ飛び込んでくる
目が合うと助けを求めるように見つめてくる
どくんと心臓が音を立てる
早くなる鼓動
密かに好意を寄せていた相手
高校生だからと自分に言い聞かせてきていたが
意識しない方が無理だった
まさか未成年だとは誰も信じられないほどの色気を含んだ表情
整った顔はメイクでさらに整えられて
光沢のある黒のドレスからは綺麗な白い肌が目のやり場に困るほど露出していた
潤んだ瞳は熱っぽく
呼吸も心なしか荒い気がする
微かなアルコールの香り
これはタチの悪い客に飲まされたというところだろう
身体に力が入らない様子のさんを胸に抱き留めたまま周りを見ると
今まさにやり合おうとしている五条さんと乙骨くんが目に入った
「乙骨くんは安心してください。五条さんは私が連れて帰ります」
クレジットカードを店員に渡すと困ったようにテーブルを見る
「お客様‥せっかく開けられたシャンパンはどうされますか?」