第6章 乙骨憂太 君の全てに嫉妬する
乙骨side
黒のドレスは心配になるくらい胸元が深く開いていて
ジップがついているから少しそれを下に下げるだけで大きな胸が溢れてしまいそうだし
下着が見えるんじゃないかと不安になる程深く入ったスリットからは綺麗な太腿が見えている
肌が白いからドレスの黒がよく映えて
すっごいセクシーだ
こんなちゃんの姿を見たのはもちろん初めてで
発熱したかと勘違いするほど顔まで全身が熱くなっていく
煌びやかな店内に負けないくらいの美貌に
お店の中にいた誰もが振り返る
『なんか‥お化粧したりこんな格好してるから自分じゃないみたいだよ‥乙骨くんにみられちゃうのもちょっと恥ずかしいな』
柔らかく巻かれた髪はハーフアップに整えられている
照れくさそうに僕のそばにきてふにゃりと笑うから
心臓がどくりと跳ねて
思わず声が裏返ってしまった
「っ‥でも‥すっごい似合ってるよ」
直視出来ずに視線を逸らす
ヘアメイクをしてもらった姿は目を合わせるのも憚れる程あまりに可愛くて綺麗だった
芸能界の人やお偉いさんも沢山くるようなお店らしいから
周りの女の人達ももちろんとても綺麗なんだけど
その中でも一際目立つちゃんの事をお客さんも勿論放っておかなかった
ドキドキとしながらお店が開店してすぐ
ちゃんは次々と指名をもらって
すごい高級らしいシャンパンがひっきりなしにあけられていく
こんな姿誰にも見せたくないのに
ましてや任務だとしても
指一本触れさせたくないのに
他の男の人にいやらしい目で見られて
触れられるのなんか耐えられない
それなのに
目の前のテーブルではまさに沢山の客がちゃんをそんな目で見ていて
また胸の中にもやもやとしたものが蓄積していく
「ねぇ君新人さん?こんな可愛い女の子初めてだよ〜永久指名しちゃおうかなぁ」
テーブルの上には3桁を超えるシャンパンの瓶が何本も並んでいて
ソファにちょこんと座るちゃんの身体にぴったりと近づく男
その後ろで何も出来ずに拳をギュッと握り締めて耐える
『すごいシャンパンたくさんっ‥ありがとうございます!私お酒飲めなくてすみません‥!』