第6章 乙骨憂太 君の全てに嫉妬する
乙骨side
そんな可愛い姿を見ているとなんだか無性にまだ離れたくなくなって
気付けば口が開いていた
「あっ‥あの‥この後‥ヒマ?」
『えっ?あっ‥うん!あとはもう寝るだけだよ』
ドキドキしすぎてぎこちない誘い文句を口にしてしまうけどにっこりと可愛い笑顔で僕を見る
「あっ‥あの‥良かったらなんだけど‥‥この後僕の部屋こないかな‥なんて‥嫌だったら全然無理しないでっ‥」
『えっ!いいの〜?乙骨くんがいいなら行きたいなぁ』
断られるかもしれないと
じっと下を見ていた顔を少し上げると照れたようにはにかむ姿がまた可愛くてもうドキドキが止まらなかった
「じゃ‥じゃあっ‥またあとで‥待ってるね」
『うん!またあとでね!』
小さく手を振って自分の部屋へと帰っていくちゃんの後ろ姿を見送りながら浴室へ向かおうとすると目の前に誰か立っていてびっくりして大声を出してしまった
「わぁっ?!五条先生っ?!」
「とどこまでやったのかな?」
「えっ?!ど‥どこまでって‥」
「あんな事やこんな事‥‥あーっ‥やっぱり想像したくないからやめ!」
一瞬空気がピリッと張り詰めた気がしたけどすぐにいつもの五条先生に戻ってそのまま歩き出した
「あ‥あの‥五条先生ってちゃんの事好き‥です‥よね?」
すたすたと歩き出していた長い足がぴたりと止まって僕の方を振り返る
「うん?好きだよ?」
「や‥やっぱり‥そう‥ですよねっ‥」
「まぁを狙ってるのが僕だけじゃないのは憂太が一番よく知ってるだろうけど‥油断してたらすぐに奪っちゃうから宜しく〜」
宣戦布告をするかのように目隠しを少しずらすとあまりに綺麗な瞳がにやりと細められる
そして今度こそそのまま歩いていってしまった
「僕に勝ち目あるかな‥」
すらりと長い手足
海外の人のように高い背と透き通った瞳
雪のように白く綺麗な髪
最強と呼ぶに相応しい強さとあの大人の余裕
何一つ勝てる気がしない
ぼーっとお風呂に入って気付けば部屋の中
自室のドアをコンコンと控えめにノックする音が聞こえてきた