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リクエスト 裏短編集♡

第5章 乙骨憂太 嫉妬


私を真っ直ぐに見つめる憂太の目に宿る熱は
火傷をしてしまいそうなほど



目が据わって
声色が変わる



こうなった時の憂太はなかなか止められない


普段見る柔らかな表情とはがらりと印象が変わって



まるで戦いの時みたい





背筋がぞくりとするほど強くて
息を呑むほどかっこいい


私は憂太のどちらの顔も大好きだった





ことの発端は今日のお昼の任務




呪詛師の疑いがある男女の尾行をしていたけれど
正体がバレそうになって
咄嗟に棘くんが私の身体を抱き寄せた





「しゃけしゃけ‥!」



『う‥うんっ‥』





恋人同士のフリをしてその場をなんとか乗り切ったけれど



手を繋いで歩いているところを他の任務にあたっていた憂太がみてしまったみたい


それでも棘くんに抱きしめられたところは見られてなかったみたいで
そこはちょっとホッとした



きっとそんなところを見られていたら
私は次の日動けないくらいになっていたかもしれないから




「おはよう‥昨日はごめんね?身体‥大丈夫?」




柔らかな日差しに目を擦ると頭上から優しい声が聞こえる



寝癖のついた髪



少し困った様に眉を下げる憂太はまるで昨日の夜とは別人みたいだった





『ぜんぜん平気っ!大丈夫だよ!』




少し大きな声を出して見上げると目尻が少し下がって優しく頭を撫でてくれる




「良かった‥ちゃんの事となるとつい熱くなっちゃって‥」




恥ずかしそうにはにかむ姿に胸がとくりと音を立てる


本当に呪霊と対峙しているときの憂太とは別人みたい




特級術師
乙骨憂太



怒りに我を忘れた時ほどその威圧感は強く大きくなる





「いけないっ‥そろそろ準備しなくちゃ遅刻しちゃう‥立てる?」



その威圧感を微塵も感じさせない柔らかな笑顔でそう言うと優しく身体を支えてくれる



それから顔を洗って
身支度を整えて




今日もまた教室へ向かう




「急で悪いが授業は無しだ‥棘とのペアは海辺にある廃墟へ。真希と憂太ペアは隣町の病院へ。」





宜しく頼んだよと言って気付けば五条先生がその場からいなくなっていた



「気をつけてね‥」



『憂太と真希ちゃんも!じゃあお互い無事で!頑張ろうね!』
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