第3章 私達は
現場に着くと、憂太とは車を降りた。
目の前には明らかに特級呪霊の呪力が感じる廃工場。
ここですでに5人の被害者が出ている。
2人を降ろした補助監督はゆっくりと帳を下ろし始める。
昼間なのに暗くなる空をは見上げた。
「……嫌になるね……。」
ポツリとは呟いた。
世界中の人間が自分を殺そうとしている様な、そんな気分になる。
呪霊の呪いに当てられたのだろうか。
気持ちは暗く落ち込むのに、妙に気分は高揚する。
「…… さん1人で大丈夫じゃないですか?」
中にいるであろう呪霊を確認すると、憂太は言った。
それでも2人は離れる事は出来ない。
無駄だと分かっていても、仕方無く2人で中に入っていく。
「……憂太くん…出すね…。」
憂太にそう言うと、は妲妃を口寄せし憑依させる。
刀を握っている憂太の手に力が入った。