第2章 僕らの愛は
悟と傑に当てつけで七海と寝た事は分かっていた。
はたまにそうして小さい反抗心を解消する事がある。
彼女にとって、この2人との生活はそれほど窮屈なのだ。
「まぁ、寝取られるのは傑で慣れてるし、キスは妲妃のせいだとも分かっているからね…。」
分かってはいるけど、気分が良いモノでは決してない。
何も感じないかと言ったら、東京中の呪霊を祓っても気が済まない程の苛立ちはしっかりとある。
しかし、にそうさせているのもまた自分達だと。
それも自負している。
悟はの背中を撫でながら、胸元に顔を埋める。
早く妲妃を祓ってしまいたい。
そんな気持ちが湧き起こるのを、こうしてに触れる事で何とか抑えているのだ。
「…… 、死刑になりたいんだって?」
家に帰ってくる前に傑から聞いた様だ。
胸元でポツリと悟の声が聞こえた。
「…なんで傑にそんな事を話したの?」
は普段から考えている事をあまり口にしない。
それが『本心』であればある程声を出さなくなる。