第1章 毒女は転生する
それがの意思なのか、妲妃の意思なのか分からないが、七海はベットのシーツを強く掴んだ。
そうしていないと、簡単にこの意識に飲まれそうだった。
「……はぁ……ん……。」
唇が少し離れる度に、からも甘い声が漏れる。
しかしすぐにまた唇を合わせるので、息継ぎは大変だった。
どれくらいの時間が経っただろうか。
がゆっくりと唇を離したので、やっと妲妃が満足したのだと分かった。
「……はぁ……ありがとう…七海くん……。」
顔を紅潮させながら自分にお礼を言うに、七海の手が動いた。
遠ざかろうとした腰を掴んで、自分の元に引き寄せると、再びにキスをする。
もう妲妃の憑依は解けていて、素のとキスをするのだ。
そもそも、悟と傑では何故駄目かと言うと。
あの2人は妲妃を祓おうとした経緯があるからだ。
その為、妲妃は悟と傑が嫌いであり、あの2人から呪力を貰おうとしない。