第1章 毒女は転生する
「出すよ…七海くん…。」
の言葉と共に姿を現した妲妃に、七海の喉が鳴った。
毎回の光景だが、特級過呪怨霊を目の前にすれば、体は少し震える。
妲妃を出したは彼女と『憑依』する。
妲妃とが一体になる瞬間だ。
彼女はこの姿で、10年前の惨状を行った。
犠牲者の数と、呪術界を震撼させた圧倒的な特級過呪怨霊。
折本里香と同様に、すぐに呪術界は排除を試みた。
だけど、折本里香同様、妲妃もまた祓う事が出来なかった。
妲妃との間にも『縛り』があったのだ。
しかし、その『縛り』が何なのか、は分かっていなかった。
その為、妲妃を祓うことが出来ずに、上層部が決めたのが、秘匿死刑だったのだ。
再び、妲妃が暴走したら、今度こその死刑は決まる。
だけど、妲妃が暴走しない手段があったのだ。
妲妃からの『縛り』。
定期的に強い呪力を摂取出来たなら、誰も殺さない。