第1章 甘いものが大好きな彼~アイン~
「そういう事なら後で沢山貴方のピアノを聴かせてね?」
私がそういうとアインはお菓子を見せた時よりも
素敵な笑顔で
「あぁ、お前が喜ぶならいくらでも聴かせてやる」
彼はどうしてこんな事をサラッと言えてしまうのかしら
ちょっと、ずるいわ
「ほら、早くいくぞ。」手を差し出す
もう、本当にずるい人
私はアインの手をにぎり少し彼をからかった
「そんなに急がなくってもお菓子は逃げないわよ
それとも誰かさんは私が作ったクッキーを食べるのがそんなに楽しみなのかしら?」
「...プイ」
あら、ちょっといじわるしすぎてしまったかしら
そう思っていると
「サラが作るやつだから早く食べたいんだ。
それにお前と二人きりになるのも久しぶりだろ?早く二人になりたい。」
正直あの照れ屋なアインがこんなこと言うなんて
嬉しすぎて頬がにやけちゃう
「おい、顔が凄いことになってるぞ」
「す、凄いことって...酷かったってこと??」
そんなに、変な顔になっていたのかしら?
確かにニヤけてはいたけど...
私がそんな事を考えているとアインが
耳元までやってきて
「い~や、ただ嬉しそうにしていたな
ただ、僕だけからかわれるのは不公平だと思ってな」
「もう///アインのバカ」
「最初にやったのはサラだろ?」
うぅ、悔しい~
だけど実際私からやったから何も言えない
こうなったら
「そ、そんなことより早くお菓子を食べましょう?」
「逃げたな」
逃げてないもん///