第6章 恋い蛍✿
溢れる蜜を掻き混ぜるように、互いの性器を擦り合わせていく。
ぬちゅ、くちゅと粘着質な音が鳴り響いて、入ってくるその瞬間を待ちわびる。
濡れた瞳で見つめ合ったまま、執拗に先端だけを抜き差しされる。粘ついた音が聞こえて、身体がどんどん熱くなってくる。
早く挿れてほしいのに、ゆるゆるとした快楽は、脳みそが溶けてしまいそうなくらいに気持ちが良い。
傑は私の胸を揉みながら、乳首を口に含んできた。
「あ……ん……」
舌先で転がされるように愛撫されると、下腹部にまたじわりと熱が溢れた。
もっと強くしてほしい。
でも、ゆっくりしてほしい。
相反する欲求のせいで頭の中がぐちゃぐちゃになってきて、目尻に涙が滲む。
傑は焦らすように、浅いところでゆっくりと抜き差しを繰り返している。
愛液でぬるぬると光る傑のものが出入りする様子を見ていると、無性に恥ずかしくなってきた。
結合部に目が釘付けになりながらも、きゅうきゅう締めつけてしまう。
「……んっ、あぁ……なんで……?」
もどかしさから身悶えると、突然、ぐっと体重をかけてきて、一番太いところで内壁が押し広げられる圧迫感に、声にならない悲鳴が出た。
「……っ、ひ……」
耐えきれずに喉元を曝(さら)すと、傑はそこに優しく歯を立ててきた後、慈しむように耳朶を食んでくる。
「あぁ……ゆめの中、すごく熱くて……とけそうだ」
恍惚として何かを我慢するような彼の声のせいで、私もお臍の裏側あたりがじわっと熱くなって、腰がぶるりと震える。
体を気遣ってか、傑は動かずに待っていてくれたが、黙りこくったままの私に痺れを切らしたのか、少しずつ動き出した。
ずちゅっ、ぐちゅという水音が部屋に響いている。結合部からは泡立った愛液が溢れ出してきているせいで、動く度にひどく淫らな音へと変わっていった。
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