第4章 決意の告白
結局、シャワーを浴びたのが無駄になるほど、逞しい体に汗だくで抱き潰された。
散々身体を繋げた後、傑お兄ちゃんの胸に抱かれながら、私は心地良い疲労感で微睡んでいた。
「今日は何時に終わるの?」
ベッドの中でそう尋ねると、お兄ちゃんが「うーん」と考える素振りをする。
私は裸のまま、その広い胸にぴったりとくっついて心音を聞いていた。
「体術の授業自体は夕方前には終わるから……」
そう言いかけて、携帯の画面を見ながら何か考えているようだった。
どうしたのかと不思議に思って見つめると、傑お兄ちゃんはちらりと私を見た。
「今夜、父さんと母さんに、私達の関係について電話で話してみようかと思っているけど構わないかい?」
予想外の提案に、私は目を丸くして固まってしまった。
今まで傑お兄ちゃんが私に対して過保護すぎる節はあったし、距離感が近すぎる時もあったので、義両親も薄々は勘付いていた可能性もある。
でも、面と向かってカミングアウトするのは、かなりの勇気が必要だ。
私達が付き合っていることを正直に打ち明けたら、場合によっては絶縁されるという可能性もゼロじゃない。
「やっぱり怖いかな」
黙ったままでいると、傑お兄ちゃんは私の頭を撫でた。
「うん……正直、まだちょっと不安かも。もし反対されても、私はお兄ちゃんと一緒に居たいし、お兄ちゃんと離れたくない」
私はお兄ちゃんの手を握り締めて、彼の顔をじっと見上げる。
「純粋なゆめをたぶらかしたのは私だからね。そのあたりは強調しとくよ。納得してもらえない時は、二人そろって夏休みに怒られに帰ればいいさ」
ベッドの上で頬杖をつきながら、お兄ちゃんはいつものように微笑んでいるけれど、家族との関係性が変わってしまう可能性もある。
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