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【呪術廻戦】薄夜の蜉蝣【R18】

第4章 決意の告白


私がひそかに危惧していることが顔に出ていたのか、

「さすがに、最近付き合い始めた清い関係ってことにはするけれどね」

ペロッと舌を出して、珍しく悪戯っ子のような表情を見せた。そんな傑お兄ちゃんの顔を見ると、少しだけ不安が和らいだ。

傑に告白されたのは、私が14歳の時。

親も旅行で不在の、二人きりの夜。

ゲームをしていて、負け続けの私のモチベーションを上げようとお兄ちゃんが賭けを持ち込んできた。

私が勝ったら、絶対にお高いケーキを買ってもらうんだ。そう意気込んで鼻息荒くコントローラーを握り、画面に集中している横で、

「じゃあ、こっちが勝ったらゆめの彼氏にしてもらおうかな」

しれっと爆弾発言をした意地の悪い兄が、手際よく勝利をかっさらっていった。

さっきの彼の発言を脳内で反芻しつつ呆然とゲーム画面を見ていると、横からファーストキスを奪われ、そのままリビングのソファでお互い初体験を済ませてしまった。

血の繋がらない兄妹の禁断の恋。周囲に知られてはならない、秘めやかな関係。

そんな立場と燃える恋心が、私と傑をのめり込ませた。家族に隠れて体を繫げ、友人たちにもバレないように愛を育む日々。

彼の言葉や表情に一喜一憂した。

好きすぎる想いが暴走して不安になって喧嘩もした。

それでも最後には、お兄ちゃんは困ったような笑顔でキスして仲直りしてくれる。彼と出会ってから、色んな感情を知った気がする。

恋とか愛とか、私には縁遠いものだと思っていたけれど、全てを捧げても構わないと思うくらいに惹かれるのは、あなただけだった。

数え切れないくらい夜を共に過ごして、もう戻れないところまで来てしまった。

好きだと言われる度に、胸のあたりが甘くて、苦しくて、もっと触れてほしいと願ってしまう。

あなたの得意気に笑った顔。普段の大人びて澄ました態度も形無しになるくらい、デレデレしながら甘やかしてくれる表情。

情事の後も、愛しげに触れられて微笑まれる度に、鼓動が自然と速くなる。

ずっと、ずっと、この人の隣で笑っていられますように。そう願いながら、私は傑お兄ちゃんの大きな背中に腕を回して抱き締めた。




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