第3章 相互依存✿ (傑ルートへ)
抱き合ったまま、しばらく余韻に浸っていると、膣内にあった質量がずるりと引き抜かれる。その刺激にすら感じてしまい、体がぴくりと震えた。
使用済みのコンドームの処理を行うお兄ちゃんを横目に、私はまだ火照ったままの体を持て余していた。
「傑、もう一回したい」
意識的に、わざと名前で呼ぶ。
お兄ちゃんは一瞬驚いた顔をしたが、私がじっと見つめていると、観念したように溜息をつかれた。兄への甘え方をよく知っている悪い妹だと、我ながら自嘲する。
「……もう一度だけ、ならね」
呆れた口調だが、お兄ちゃんも満更ではなさそうだった。私の頬に触れるだけのキスをしてから、そのまま唇を重ねてくる。
やわらかくて厚い舌に歯列をなぞられて、上顎を舐められると、それだけで身体中がむずむずして、胎内の何かが騒めくような心地がした。
息継ぎすらままならない。角度を変えながら何度も口付けを交わすと、喪失感が残るお腹の中を早く埋めて欲しくなる。
ギシッとベッドが軋んで、傑お兄ちゃんが私の足の間に入り込んでくる。完全に情欲に焚きつけられた目つきで、こちらを見下ろしていた。
その中心部はもう既に硬く立ち上がっていて、思わず生唾を飲み込む。
「お兄ちゃん、悪い顔してる」
私はクスリと笑って、期待を込めて見上げる。この先に与えられるであろう快感を想像して、無意識のうちに腰を揺らしてしまっていた。
「ゆめも大概だけどね」
本当に男の趣味が悪いと揶揄されて、否定はできないなと思った。お兄ちゃん以外に抱かれたいとも思わないし、こんなに夢中になれる相手もいない。
「……傑がいい」
手を伸ばして、彼だけを求める。
私の言葉を聞いて、口を真一文字に結んで目を見開いた数秒後、お兄ちゃんは照れたように目尻を下げて笑った。
優しく私を押さえ付ける腕にしがみつきながら、侵入してくる熱を受け入れる。
腰をがっちり掴まれ、これでもかと欲を打ち込まれて、獣のような交わりを繰り返し、最後は漏らしながら果てるほどの恍惚に呑まれた。
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