第13章 白夜の陽炎✿

「さとる…………愛してる」
「僕も……愛してるよ、ゆめ」

切なさを帯びた声に、私は自分の意志とは無関係に胎内をきつく締め付けてしまう。

快楽が奥から込み上げてくるのを感じて、彼の肌に顔を埋めた。

「ンっ、んー……っ、イッちゃう……」

私が堪らず声を上げれば、悟が私の体を強く抱きしめた。「僕も」と余裕のない声で告げられて、私は胸の奥が熱くなる。

「一緒にイこうか、ゆめ」

彼の唇が私のそれを塞ぐ。

舌を絡め合いながら、律動が激しくなる。結合部からはぐちゅぐちゅと湿った音が絶えず聞こえていた。

私は無意識のうちに悟の腰に脚を絡めてさらに深く密着する。そうすれば体の中で彼の陰茎が一層大きくなったような気がした。

「あんッ……あっ、も……イく」
「ゆめ……！」

頭が真っ白になり、私は達した。悟も同時に果てたらしく、中に熱い飛沫が注がれる。

膣内の脈打つ存在を感じながら、私は彼の背中に回していた腕から力を抜いた。

「悟は、どこにも行かないでね」

うわごとのように呟くと、悟はすりすりと鼻先を私の頰に擦りつけてきた。

「ゆめを置いて、何処かに行くわけないでしょ」
「……時々、不安になるだけだよ。傑お兄ちゃんみたいに、ある日急にいなくなって帰ってこないんじゃないかって」
「『毎年一緒に夏祭りに行く』ってゆめと約束したんだから、それだけは何が何でも守るよ」
「んん？夏祭りの他は？」

聞き捨てならない発言に、私は思わず悟の肩を小突く。すると、彼は半笑いでバツが悪そうに私から目を逸らした。

悟は忙しい人だから、他のイベントがリアルタイムで過ごせないのは仕方ないのは理解済みの戯れ。



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