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【呪術廻戦】薄夜の蜉蝣【R18】

第13章 白夜の陽炎✿


そうこうしている内に、背後で五条先輩がベッドから降りる気配を感じた。

「オマエの部屋に行くからな」
「え、あ……朝からはちょっとッ」
「は?夜になってから行くに決まってんだろ」

飛び起きて叫んだ私に、先輩は半ば呆れたような声で返す。

数秒の沈黙。

己の盛大な勘違いに気付いて、居た堪れなくなって掛け布団を被った。朝からアレコレ淫らな行為をするのではと、少しでも頭をよぎったなんて恥ずかしくて言えない。

少しして、布越しに頭を軽く小突かれたと思えば、意地の悪い笑みを浮かべた五条先輩が私を覗き込むようにして見つめてくる。

「ゆめちゃーん、やらしー。朝から何想像したんだよ。俺のこと大好きすぎだろ」

「うっ」と、私が返答に詰まっていると、布団を引っ剥がされてグシャグシャと髪を掻き回されてすぐに解放された。

未だに穏やかではない心臓を落ち着かせながら、私は恨めしげに五条先輩を見上げた。

「もー、いじめないでください」
「可愛がってるだけだ」

そんな軽口を叩いている間に、五条先輩はすっかり身支度を整えたようで「腹減った」と言いながらサングラスを掛け、さっさと仮眠室から出ようとしている。私は服を整えてから慌てて立ち上がると、彼を追いかけるようにしてその後を追う。

「ほら、ゆめ」

ヒラヒラと目の前に手が差し出される。

何だろうと思って首を傾げていると、焦れた五条先輩が鼻を鳴らし、強引に私の手を握って歩き出す。

そのまま廊下を歩いて建物の外に出れば、眩しい日差しと雲一つない晴天が広がっていた。

立ち止まって天を仰ぐと、ふと隣から視線を感じた。



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