第13章 白夜の陽炎✿
イッたばかりの敏感な身体には刺激が強すぎて、思わず目の前の胸板を押し返す。しかし、逃さないとばかりに抱き寄せられて深く抉られる。
「あ、あ、あァッ……おにぃ、ちゃ……っ」
「ゆめ、今は私に集中してくれ」
声が揺れるほど打ち付けられ、息継ぎもままならないまま唇を貪って交わった。
「ん……はぁ……」
唇が離れると銀色の糸が伸びてぷつりと切れた。
まだ射精していないお兄ちゃんは私の足を抱え直し、更に深く繋がろうとしてくる。
「ゆめ、好きだ」
傑お兄ちゃんは私の首に顔を埋めると、何度も愛の言葉を囁く。その度に愛おしく感じて、乱れた黒髪ごと彼を抱きしめた。
「私もお兄ちゃんが好き」
私も同じ量の好意を返す。すると、嬉しそうに黒い瞳は細められた。私の汗を舐め取るように、薄い唇が肌を滑る。
突き上げられる度、喉奥から押し出されるように勝手に媚びる声が漏れた。
私は傑お兄ちゃんの首に回していた手を離して、シーツを握ったまま悶えるしかない。
「ゆめ……掴むなら、こっち」
傑お兄ちゃんは私の手を開いてお互いの指を絡めると、そのままペースを上げた。
肌同士がぶつかる乾いた音が室内に響き渡り、その合間に私の嬌声。その繰り返し。
「すぐ、るっ……あうっ、ん」
腰に足を絡めると、質量を増した彼のものが奥に擦り付けられる。
感じる箇所を押し上げる度に、ジンッと漏らしてしまいそうなくらいの強い疼きが止まらなくなる。
より深く貫かれ続け、限界寸前だった。下腹部の内側で何度も彼のモノに縋りつく。
こみ上げる射精感を下唇を噛んでやり過ごす傑お兄ちゃんの顔を見ていたら、お腹の奥が切ないくらいに疼く。
膣内がキュウッと締まるほど、彼の硬さと激しさを思い知る。
「はぁっ、ゆめ、好きなんだ……」
傑お兄ちゃんはそう言い、覆い被さるように私の肩口に顔を埋めた。
「ゆめ……私のそばに、いて、くれっ」
掠れた声でそう告げられ、絡み合った手がベッドに沈む。
「ん、んっ……うん、私も好き……ッ」
お互いの渇きを満たすように、キスを交わす。
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