第12章 狼さんの甘咬み✿
五条先輩は私の反応を確かめるように、こちらを見下ろしながら腰を押し込んでくる。
「あっ、あっ……そこ、だめっ……」
さっき彼の指で達したばかりなのに、またすぐに限界を迎えそうな程に追い込まれていく。
「ゆめ」
名前を呼ばれて、潤んだ視界の中で彼を見上げる。
先輩は切なげに眉根を寄せていて、我慢している表情をしていた。
「……ゆめ」
繰り返される、私の名前。
愛おしそうな声で呼ばれれば、嬉しすぎてどうにかなりそうだ。もう誤魔化しようのないほどに、私の心は彼に傾いてしまっている。
「ああっ、んっ……奥、ずんずんされ、るの好きっ」
「はっ……ゆめ、そのオネダリ、反則、だ」
最初はゆっくりだった動きも次第に速くなり、肌がぶつかり合う音が響く。
膣内の弱い部分を的確に突かれる度に、つま先まで甘い痺れが広がる。
「ゆめの中、すごい食い付き。昨日あんなにシたのに、まだ足りないってか」
わざと羞恥心を煽るような言葉を投げかけられるが、それすらも快楽に繋がってしまう。
「ん、っふ……ああっ」
強く突かれた瞬間に、好きな人の背に爪を立ててしまった。絶頂に達しかけたが、私の反応を楽しむかのように動きを止められてしまった。
きゅうきゅうと中が収縮して、先輩のモノを離さないようにしているのが分かる。
「ゆめのココ、俺の離したくないって言ってる」
そんなことを言われるだけで、お腹の奥が疼く。
そんなにも彼を求めていることを自覚させられてしまい、頬が熱くなる。
下腹の奥に力を入れて自ら腰を揺すると、胎内の硬いものの先端が奥にこすれて、脳が蕩けそうな悦楽に喉が反る。
「そんながっつかなくても、逃げたりしねーよ」
そう言って含み笑う五条先輩が私に口付けを落とす。
ちゅ、ちゅと何度か角度を変えて触れるだけの口付けを繰り返してから、唇を食むように愛撫され、それが徐々に深いものへ変わっていくのをどこかぼんやりとした頭で受け入れている内に、舌を絡め取られていた。
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