第12章 狼さんの甘咬み✿
気付いた時には、私は足腰をガクガクさせて絶頂の波に飲まれていた。
「あ……ひ、あぁ……っ」
目の前が真っ白になる。ぷしゃっと透明の液体が秘部から飛び散った。
下腹が小刻みに震え、波が引いていくような脱力感。その感覚に逆らわずに、四肢をシーツへ沈み込ませた。
「ん、っ……あ……は、ぁ……」
これで終わりではないはず。
乱れている呼吸も整わぬまま、白い天井から彼の方へ視線を動かす。
先輩は私の中からずるっと指を引き抜くと、見せつけるように愛液まみれのそれをペロリと舐めた。
私が顔を背けた直後、相手が服を脱ぎ捨てた音が聞こえた。
「欲しがりなゆめにご褒美」
その言葉と共に、コンドームの小袋をヒラヒラとさせる五条先輩の手が見える。
「今日は一回だけ、な」
視線を下げると、彼のモノは既に大きく反り立っていて、ピンク色の薄いゴムに包まれていく。
その様子を食い入るように見つめてしまっていたらしく、「見すぎ」と指摘されて、顔に熱が集中する。「だって」と言い訳をしようとして、やめた。
「ゆめ」
名前を呼ばれて、返事をする代わりにコクリと頷く。
「ん……っ」
期待を含んだ喘ぎ声が漏れ出るのと同時に、あてがわれた先端が入り込んできた瞬間、ビクンと腰が跳ね上がる。
指とは全く違う質量と圧迫感に、息が詰まる。
ゆっくりと中に押し込まれていく快感が、じわじわと全身を支配していく。
もっと深くまできて欲しくて、両脚を五条先輩の方へと絡ませれば、彼は小さく笑った。
「ゆめ、エロすぎ」
そんな事言われても分からない。私にそうさせるのは、全部先輩のせいだ。
反論する余裕も無く、どんどん中を埋め尽くされていくのが分かる。彼でいっぱいになる感覚。
「……っ、んん……」
「全部入った」
その一言にすら体が反応してしまう。
「あっ……ん、っ……」
ゆっくりとした動きで抜き差しを繰り返され、その度に甘い吐息を漏らす。
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