第12章 狼さんの甘咬み✿
「はっ、あんっ……あっ……」
ちゅぷっと音がしたと思った次の瞬間には、長い指が膣の中に侵入してきたのが分かった。
陰核を同時に責められると、頭が真っ白になるほどの快楽に襲われて、膣内がきゅうっと収縮しているのが分かる。
「あ……あ、あっ……」
蜜口の浅い場所を刺激され、敏感な突起を優しい手つきで撫でたり、軽く指先で弾かれる。脳内で爆ぜる快感に、とぷりと溢れた愛液が肌を伝う。
「ゆめ、イきたい時はちゃんと言えよ」
私に拒否権を与えるつもりがないのは、五条先輩の表情を見れば明らか。はっきりと彼を求める言葉を口走らない限り終わらない戯れ。
私のイイトコロをひたすら執拗に責める指の動きは止まらない。中を指でまさぐられては、イク寸前で止められる甘い責めを繰り返される。
このまま焦らされ続けたら、頭がおかしくなってしまう。
「んぁ、あっ……だめっ……」
既に思考能力を失った頭では、言葉を紡ぐことすら出来ない。
それでも「だめ」を絞り出して拒絶をしているつもりだが、五条先輩はそれをどう受け取ったのか楽しげに笑うと愛撫を続けた。
「イけないから、もっとして欲しいって?」
「やっ、ちがっ……」
先輩は狡い。私が達することが出来ないギリギリのところをワザと刺激する。
「あっだめ、やだぁ……んっ、あぁっ」
ぐちゅぐちゅという卑猥な音が頭の中でこだまして、絶頂への期待感で胎の奥が切なくなる。
思考も理性もグチャグチャになるまで交わって、快楽に溺れたその味を知っているからこそ辛い。
「っふぁ、ああ……」
耳朶を甘噛みされて、ピリッと小さな衝撃が全身に広がる。舌で舐め上げられ、情けなく腰が浮く。
早く挿れて欲しいのに、まだ焦らすつもりなのか、五条先輩はなかなか挿れてくれない。
痺れを切らした私の体は、先輩が欲しいのだと訴えている。もっと深い場所まで貫かれたい。
その欲求が高まり切った時、張り詰めた快感が弾けた。
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