第12章 狼さんの甘咬み✿
もっと触れたい欲求が湧き上がって、そのまま耳にキスをすると、五条先輩は少しだけくすぐったそうに身じろぎをした。
布越しに高ぶっている彼自身に、私も下半身を擦り付ける。お腹の奥がムズムズして、秘部が濡れてくるのを自覚してしまう。
首、肩、胸付近を執拗に舐め続けていると、先輩も我慢できなくなったのか「こら」と言いながら私を押しのけてくる。
けれどその手にはあまり力を込められていないことに気が付いたので、「ふふっ」と、私は笑って先輩への愛撫を続けた。
「ゆめ、いい加減にしろって……」
先輩が少し困った様な声音を出すと、さらに悪戯したい欲求が強まってしまって止められない。
「イヤですか?」
甘えたような声で問うと、先輩からの返答は無かった。恐る恐る彼の顔を窺うと、視線が合う前に強く抱きしめられる。
「嫌じゃないに決まってんだろ」
その言葉と同時に、ぐるんと世界が反転していて、私は白い天井を見上げていた。
「煽ったのはゆめだからな」
欲を孕んでギラついているのに、五条先輩の目は青く澄んでいて綺麗だ。
昨夜この人から与えられた悦びを、身体は覚えている。スルッと足からショーツが抜かれる感触に、さらに鼓動が速くなるのを感じる。
先輩の指が秘部に触れると、体が勝手にピクンと跳ねて、喘ぎ声を上げてしまった。
「あっ……ん、五条せんぱ、いっ……」
下への前戯は要らないから、早く挿れて欲しいという思いを込めて見上げれば、彼は不敵に笑った。
「だーめ」
くちゅくちゅと音を立てながら、緩慢に指が割れ目を上下して焦れったい。
彼を求めて、お腹の深いところが痛いほど疼く。早く挿れて欲しい。先輩の体温を感じながら、奥まで埋め尽くされたい。
そんな思考が巡る中、愛撫を続けられて欲求だけが膨らむ。
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