第10章 彩光✿
身体中の力が抜けてふにゃりと脱力してしまう私を、先輩の腕が強く抱きとめた。
「ゆめ、あんまり漏らすなよ。浴衣がびちゃびちゃになるぞ」
一瞬何が起こったのか分からなかったが、先輩の声で己の粗相に気づく。
「だって、先輩が……あっ、んぁ……っ」
五条先輩は二本揃えた指をゆっくりと出し入れしながら、親指でクリトリスを撫で回すと、愛液が溢れ出て尻を伝っていくのを感じる。
もう頭の中はぐちゃぐちゃだ。
「なんで、こん、なこと……あっ」
「好きなヤツには求められたいだろ」
好きなヤツ。
それを耳にした瞬間、膣内が勝手に先輩の指を締めつけた。中を優しくかき回されて頭がおかしくなりそう。
切なくなって先輩を見上げると、
「何度でもイかせてやるから、我慢すんな」
そう呟いて、先輩は指の動きを再開させた。
私の体液で汚れて、いやらしく光る指が根本まで蜜口に埋まっていく。それを目にしてしまうだけで、もうたまらない。
奥を探るように刺激されて体の芯が痺れる。思考が爆ぜた。
「だめっ……あっ、あぁッ……!」
先輩の指の動きに合わせて、何度も痙攣を繰り返す。
口で拒絶しながらも五条先輩のされるがままになっている自分が情けない。身体が熱くて頭がぼーっとしてきても、五条先輩は容赦なく責め立ててきた。
きもちいい。もっと欲しい。
頭の中はそればかりに支配されてしまっていて、理性なんてどこかに行ってしまったみたいだった。
「やっ、あ……やめて先輩……」
「こんなに濡らしておいて嫌だって?」
「あっ、もぉ……変なの、きちゃうから」
「何だよそれ」
先輩がくすりと笑みをこぼす。
中に埋まった指が不規則に内壁を抉りあげてきて、そのたびに身体中がびくびくと跳ね上がる。
勝手に足の指がキュッと丸まって、畳に爪を立てる。
快楽に身悶える姿を、彼にじっと見下ろされる感覚すら興奮材料になる。
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