第1章 背徳は蜜の味✿
「あぁ、悟が戻ってきたか。ゆめはどうしたい?」
傑お兄ちゃんの意地悪な質問に答えられるはずもない。
「ん……んっ……」
ただひたすら首を横に振ることしか出来なかった。
フッと笑い、傑お兄ちゃんは私の腰を掴んだ。
そのまま奥を揺らすような動きに変えて、耳元で「イっていいよ」と囁かれた瞬間、目の前が真っ白に染まり、私は絶頂を迎えた。
膣内に埋まったままのお兄ちゃんの陰茎が質量を増して、ぐっと奥まで押し込まれたところで、彼が絶頂を迎えようとしているのが分かった。
「んーー……っ!」
「ゆめ、出すよ」
中が痙攣し、傑お兄ちゃんを強く締め付ける。
お兄ちゃんはその刺激に逆らわず、私の奥に精を放った。ビクビク脈打つ振動を感じながら、体が余韻に震える度に膣内がきゅうっと収縮する。
最後の一滴まで搾り取るような動きを見せた後、ようやく体の力が抜けた私は、支えられながらお兄ちゃんに抱きつくようにして凭れ掛かる。
「……っ……ん……」
「ゆめ……」
ずっと己の口を塞いでいた私の手を退かして、お兄ちゃんが口唇を重ねてきた。
舌先で歯列をなぞられ、隙間から彼の舌が入り込んでくる。
私はそれを迎え入れるように自ら絡めた。
「ふ……っ……ん……ちゅ……」
舌先を吸われて、甘噛みされて、唾液を絡ませる。
ちゅっ、くちゅりと濡れた音を立てながら、何度も応えた。好き。すき。大好き。気持ちいい。頭ふわふわする。お兄ちゃん。もっと触って。愛してる。
そんな単純な言葉が浮かんでは消える脳内。
大好きな人の熱に触れられる幸せに、思考が甘く麻痺する。
挿入されたままの下腹部は少しだけ苦しかったけれど、それが何だか満たされる。
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