第31章 〇〇しないと出られない部屋
「面白いものを見せてあげるから、下記の部屋においでよ!」
ある日のことだった。ベアトリクスからロード様宛てにそう書かれた手紙が来て、一緒に来て欲しいと頼まれてやって来たのがこのなんの変哲もない会議室だった。
ベアトリクスのことだから何かイタズラを仕掛けているのではないかと私は心配したのだが、ロード様は楽しそうに笑って「アルフレッド、仲間のことを疑うのことですか?」と言われたら返す言葉もなくついてきたというところだ。
だがやられた。やはりだ。私たちは、閉じ込められたのである。
「やはり開きませんね……」
扉に体当たりをしても斬りつけてもビクともしないところ、恐らく魔法が掛かっている。私一人なら力づくでこじ開けられるかもしれないが、今はロード様がいる。無理に開けてロード様に何かあったらと思うと、強引にこの部屋を脱出するのは得策ではないような気がした。
それに、相手がベアトリクスとなると、一筋縄ではいかないだろう。
「さ、ここから脱出する方法を探しましょ」
しかしロード様は、この閉じ込められた状況すら楽しんでいる様子で部屋の中を探索し始めた。ロード様、何か仕掛けがあるかもしれませんよと制止を促しても探索することをやめなかった。
結局、部屋の中には怪しい仕掛けなどはなく、何事もなく探索は終わったが、それはここから脱出するヒントもないということだった。私は頭を抱え、ロード様は顎に手を当てた。