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ロード様とヒーローたちの休息[rm]

第30章 水浴びのひととき


 ルドルフの提案で、体調を整えるために水浴びをした方がいいと言われた。だから私たちは、定期的にプールに入ることとなったロード様と、付き添いも兼ねて女性ヒーローたちもプールに入る日が出来た。
「見てて!」
 そう明るく言ったフェリシアが、空を飛んだと思いきや勢いよくプールに飛び込んだ。おかげで水飛沫が飛び散って、なんてことかロード様にも掛かってしまってる……!
「ロード様、大丈夫ですか?」
 私が駆けつけると……といっても水の中じゃそこまで早く動けず。出来るだけ早くそばに来た私に、ロード様は楽しそうに笑うばかりだった。
「ふふふ、水着なんだからいくら濡れてもいいのよ」
 でも、顔にも髪の毛にも水が掛かっている。すぐにでも拭いてあげなくちゃと私が慌てていると、なんとロード様が私に水を掛けてきたのだ!
「ジョアン、今は水浴びを楽しみましょ?」
 そう言われて、私もロード様に賛成することにした。両腕で大きく水中から振り上げると思い切りロード様に水飛沫が掛かる。ロード様はケラケラと笑って下さったけれど、別の人にも掛かってしまった。
「あら、ジョアン。先輩に向かってよくやったわね?」
「す、すみませ……」
 ざぱぁっ……!
 私が謝るより早く、サラマンダーさんからの仕返しが掛かってきた。私はすっかりびしょ濡れになってしまったが、戦いに似た闘争心が湧いて私はさらにやり返した。
「いきますよ、サラマンダーさん!」
「ええ、いつでもいいわよ」
 そうしてバシャバシャと水を掛け合っていると、急に水が凍って頭にコツンと氷の粒が当たった。これは誰の魔法なのかと見上げると、プールサイドで悠々と飲み物を楽しんでいるアリスさんがいた。
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