• テキストサイズ

ロード様とヒーローたちの休息[rm]

第16章 隠れんぼ


「あの女、どこ行った?」
 間もなく、庭園からゴルダが現れた。そう。東の庭園は彼女がよくいる場所……ナワバリといってもいいだろう。厳しい森の中で生まれ育った彼女にとって、城の敷地内にある庭園は少々息が詰まるだろうが、他に人工物が少なく、植物が多いところは東の庭園以外なかったからか、ゴルダがよくいる場所となっていたのである。
「それで隠れているつもり?」
 ゴルダもヒーローの一人だ。私たちの後ろにいたロード様のことなんてあっという間に見つけていく。刃物をチラつかせる癖はやや気になるが、ロード様は気にせず笑うから、大丈夫だと私も安心している。
「あはは、やっぱり見つかっちゃうわね!」
 声出して笑うロード様は、見つかることをあまり悔しがっていない。ゴルダも嫌がる素振りはなさそうだし、これが彼女たちの関係性なんだろうなと私は思った。
「次はもっと難しいところに隠れるんだから!」
「我がナワバリからは逃れられないわよ」
 そう言ってロード様は庭園へまた駆けて行き、ゴルダは少し待って追いかけるように庭園へ消えた。彼女もアサシン部隊の一人だから、消えたという言い方がよく似合っている。
「今日も平和だな」
 私が呟くと、サラマンダーも共感の意を示した。
「ええ、そうね」

 おしまい
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp