第5章 可愛いは正義
ロード様に仕えると忠誠を誓ったあの日、ひょんなことでリアを助けることになった私は、彼女に付き纏われる形でロード様の前に出ることとなってしまった。部外者を連れてきてすみません、今追い出しますと言いかけた時、ロード様がリアに言った言葉だった。
ロード様は、リアを心から気に入っている。
「なぁに、アルフレッド。今更アタシに惚れちゃった?」
そんな私の心境なんて全く気づいていない様子で、リアはこちらを覗き込む。この目と動きと魅力的な声で、ほとんどの兵士たちが骨抜きにされるのだから、やはり困ったヒーローで……大切な仲間だ。
「リアの目は美しいと思ってな」
「へぇ? 貴方がナンパなんて珍しいじゃない」
「そういう日もある」
私が歩き出すと、リアもついて来た。まぁたまには、共に見回りをしてもいいだろう。
ロード様の領地は、今日も平和だ。
おしまい