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ニャオハの夢と願い

第6章 雪山へ


 ユメの故郷は、マスカーニャでも数えられるくらいしか行ったことがない。それ程ユメは、冒険が好きだったのだと思う。
 雪が降り積もる北の山は、寒さに慣れていないポケモンからしたら厳しいもので、小さいポケモンは大きなポケモンの上に、大きなポケモンは出来るだけ体温の高い炎タイプのポケモンのそばにいることで何とか移動を続けた。
 一方のニャオハは、ポケモンの体に慣れてきているとはいえ、背丈より深い雪に歩くこともままならないでいた。なのでマスカーニャは肩にニャオハを乗せながら歩いていたが、それでも風が吹けば大変な環境であることには変わらなかった。
「しっかり捕まっていてね、ニャオハ」
 と声を掛けるマスカーニャ。積もった雪を風が攫って、視界が悪かったのだ。
「うん……!」ニャオハは頷く。「マスカーニャがそばにいてくれるって思うだけで、とても心強いわ」
 その言葉が、苦しかった。
 もう記憶なんか取り戻さず、ずっとポケモンでいてくれたら。例えニャオハがユメじゃなくても、それでもいいと、少なくともマスカーニャはそう思っていたのだ。
 その内に、雪や寒さに強いポケモンの一匹がマスカーニャたちより先に行って、休めそうな洞窟を見つけたと伝えてくれた。マスカーニャは肩にいるニャオハを落とさないように慎重に歩きながら、その洞窟へ向かった。
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