第15章 ここから
しばらくユメの故郷にいたが、一人の知らない少年に見つかってしまい、マスカーニャたちは追われるように集落から出なくてはいけなくなった。
本当は、ニャオハが戻ってくるんじゃないかと期待していたが。
ニャオハが自分たちを探しに来なかったのが答えだと知り、マスカーニャたちはまた山越えのルートを進んで行った。ニャオハがいた時はあんなにも苦労したのに、帰る時はそこまで大変ではなかった。
どこへ行くとも誰も相談しないまま、マスカーニャたちは、気づいたらあの洞窟に舞い戻っていた。ユメとピクニックをしようとして雨が降り、雨宿りに寄った洞窟だ。
ここが、悲劇の始まりだった。
だけどここが、ユメとの最後の場所だったから。
誰が待つと言わなくても、マスカーニャたちは待ち続けていた。大切な、ポケモントレーナーのことを。