第3章 -ジケン-吉原乱入混沌戦。
牡丹「.....!」
貴「.......。」
早速、出てきたな。
さすが一番隊長、鋭い観察眼はだてではなかったようだ。
私は瞬きくらいの速さで目を閉じて生唾を飲み込み、久々の真面目な顔つきに戻す。
新撰組に蓋岐の内情を知られたら私が尚ちゃんを助けられなくなる。
私は約束したんだ。
尚ちゃんも尚ちゃんのお父さんも蓋岐グループも"私"が必ず助けるって...!
貴「この子...牡丹は障害者なんです。だから...声が出ないのは無理ないんです。」
牡丹「.....」
私は尚ちゃんの肩に手を置いて、坦々と告げる。
土方「......?..こーゆうクラブのフロアスタッフに障害者がいるなんて、珍しくないか?」
すると土方さんはどこか思考を巡らす、といった顔で聞いてきた。
貴「はい。もとはこの子に雑用でもさせればいいかな、とか思っていたんですけどせっかくの容姿が勿体無い!とオーナーに言われまして」
私はそれもなんなく返す。
沖田「..て言うかその子本当に喋れないんですか?」
土方さんは「そうか..」と頷いたものの予想した通り沖田さんはそう上手くかわせなかった。
貴「..え、何いってるんですか沖田様。」
土方「そうだぞ総悟、喋れないって言ってンだから当たり前だろーが。」
牡丹「............」
私、土方さん、尚ちゃんは何言ってんだお前と言わんばかりのツッコミを入れる。
...どこで怪しいと思ったんだこの人。