第3章 -ジケン-吉原乱入混沌戦。
土方「...まったく、なんで俺がこんなところに..」
沖田「久々のオフとかで言ってこいって言いくるめられたのはてめーだろィ。」
貴「...あの、お酒をおつぎします。」
土方「あ?..あぁ、ありがとな。」
牡丹「.........」
貴「..........」
なんだ、これは。
最初にこのVIPルームへ来たときの感想はむなしくもそれだった。
新撰組....?なんで新撰組が吉原なんかに来てるの!?
そもそも、新撰組って世の中の規律を乱す曲者なんかを取り締まる警察だったよね?え、こんなところで遊んでていいの!?
私の中にはそんな疑問が浮かんで来たのだが、突然近くにいたキャバ嬢が
女「ねぇ、本当に遊びに来ただけなのー?私としては違法な手口使ってる奴等とかを探りに来たのかな?とか思ってんだけど」
今時の女の子っぽくタメ口でぺらぺらと喋りだした。
土方さんは何の気なしにキャバ嬢の方へ振り返って
土方「そりゃいたら捕まえるけどよ、今回は単純なオフだ。それに...使えるモン使っとけとか言われてこんなのもらっちまったからな。」
そういうと土方さんは懐から小さな紙切れを取り出した。
キャバ嬢「?何々........え、み..店のドンペリ一本無料チケット!?」
キャバ嬢「嘘~!?ドンペリのサービスなんか上級の方しか渡さないのになんで~?」
沖田「ああ、それなら松平の旦那からもらったって近藤さんから言ってやしたぜ。」
キャバ嬢「じゃあこれ松平様の!?やば....!!」
沖田さんが"松平"というワードを出してから私と牡丹ちゃん以外のキャバ嬢の目付きが変わった。
キャバ嬢「ちょっとアンタ達..速く酒を追加してきて!!!」
キャバ嬢「ちょっと悪いけど貴女達、悪いけど土方様達のお相手を少しだけして頂ける?」
何やらキャバ嬢達は焦りだしてあわあわとしている。
そしてそんな中、店番頼んだ!とでも言うかの様にキャバ嬢達はパタパタと退散していった。
貴「え、ちょっと!?皆さんで居なくなってどうするんですか!?......えぇぇ....!」
そして新撰組の土方さんと沖田さん、そして私と牡丹ちゃんだけがVIPルームへ残る形となった。