第3章 -ジケン-吉原乱入混沌戦。
貴「..でも良かったよね!まさかウィッグまで提供してくれるなんて...」
私達に着せられた衣装に関しては男性を煽る様な物に見えなくもないが、少なくともウィッグを借りられたことは運が良かったようだ。
尚「...はい、髪の色や形が変われば追っ手にバレる危険も少なくなりますし!」
尚ちゃんはオーナーの目を盗んで小声で返してくれた。
私は持ち前の青髪から金髪のウェーブがかかったウィッグを着けており自分で確かめてもこんなに雰囲気が変わるモノなんだと初めて思った。
一方の尚ちゃんは黒髪の崩しツインテールから茶髪のパッツンストレートのウィッグをかぶっていた。
確かに大人っぽく見えるのだが、ほんのり幼さも滲み出ていてなんかイイカンジにおさまっている。
オーナー「..あら、アナタ達...凄く見栄えするのね。」
近づいてきたオーナーにも言われた。
貴「光栄です。それより...源氏名はどうしますか?」
..知らない方のタメに教えておくが、源氏名とは店の中で呼ばれる自分の架空の名前である。
例えるならば本名A子と言う女はキャバクラではA美と名乗っている。
ということだ。
オーナー「んー...そうねぇ、アタシの店では必ず花の名前を着けるのよ。だから.......リリーと牡丹でどうかしら!」
私にはリリー、尚ちゃんには牡丹と指を指した。
尚「...........」
尚ちゃんはあきらかに嫌そうな顔を浮かべた。しかし、ノーテンキなのかオーナーは上機嫌でどうどう?と首を傾げている。
貴「..あの、牡丹は分かるんですがリリーという花はありましたか?」
私は逆にそっちの疑問が浮かんだ。
オーナー「うっふ!名前の由来はタイガーリリーからよ、黄色の綺麗な花があったでしょう!アレよアレ!!」
オーナーはそのことを問いて欲しかったのか問われると嬉しそうにそう答えた。