第2章 -コトノホッタン-いざ、歌舞伎町へ
さて、ここまで私の容姿を全て隠してきたわけだが____
ようやく私のありのままを皆様にお届けすることが出来る.....!
そう思うと胸がうずうずして堪らなくない。
尚「そういえば噂で聞きました!夜銀蝶は群青色の長髪で瞳の色が人より明るめの茶色!まさにそうじゃないですか~」
そうそう!もっと誉めたまえ尚くん!!!
ん....?ちょっとまて。少しだけ間違ってるよ尚ちゃん....
....群青色といっても"黒がかった群青"なんだ。
そしてその髪の先を遊ばせたへそくらいまである長髪に人一倍明るい茶色の瞳。
その珍しい容姿は夜銀蝶を見た者だけの"幸せ"らしく、
この前も依頼を受けた人から
「もう死んでも構わないです.......!///」
と拝まれたものだ。
尚「そしてなんと言ってもスタイルの抜群さ!その若さゆえの張りと柔らかさを備えもつ美貌は年齢問わずにうやまられると!!」
.......ん?そ、そんなに細かく流されてたっけ私のこと.......、
尚ちゃん...ちょっとだけ君の願望、入ってませんか。
そりゃ19歳にしたら.....出来すぎてる身体かもしれないけど......
貴「尚ちゃんそれほどでもないよ~(照)」
一応これ以上の噂をされても困るのでそこはあえて否定しておいた。
.....ちょっとだけ後悔もしたけれど。
尚「と..とにかく!夜銀蝶が目の前にいるなんて....尚、とても光栄です!!!」
尚ちゃんもこれまでの依頼人と同じく目を輝かせている。
嬉しいっちゃ嬉しいんだけど.....毎回こうも同じ反応をされるとね........
少しだけげんなりさせると私は顔を引き締めて尚ちゃんへ向き直った。
貴「..あのね、尚ちゃん.......これだけは守ってほしいんだ。」
尚「......?何でしょう..。」
貴「..私が"夜銀蝶"だと言うこと.....絶対に誰にも口外しないこと、それを守ってほしいの。」