第2章 -コトノホッタン-いざ、歌舞伎町へ
尚「は、はい。喋らなければいいんですね?でも....どうしてですか?」
尚ちゃんはどうして?と私がバレるのを避けたい理由が分からないようだ。
これも何回話すだろう.....同じ話しすぎて前と何一つ変わらずに答えてるかもしれない。
貴「...私が"夜銀蝶"だってことを皆に広めてしまうと私にはいろんな依頼がやってくるでしょう。でも....世の中には解決できない依頼やどうしても断念せざるを得ない依頼もあるの。それが多くなってしまったらいちいち断るのも面倒だし、依頼してくれた人が悲しむ姿だって見たくないんだ......それに、悪用する人だって出てくるかもしれない。..分かって貰えたかな。」
私はなるべく包み隠さずに全て話した。
....なるべく、だよ?
私が夜銀蝶だってことを知って少しだけ明るくなった尚ちゃんはまた表情を重く変えて顔を俯かせた。
尚「そう......ですよね。私、何も知らなくって.......ごめんなさい。」
貴「..あ!ち、違うんだっ..別に..そこまで深く考えてるワケじゃないから......それにしても、まだ追っ手が来ているとしたらもうすぐここにも来るよね...」
違うよ!と否定している途中にそろそろここに来てから数十分が経っていることに気づいた。
尚「あっ..そういえば!ど、どうしましょう..捕まっちゃう!!」
尚ちゃんはそのことに気がつくと不安と焦りの混じった顔色になりあわあわと頼りなく手を動かしている。
貴「だいじょーぶ!急いでしのげる場所を探そう、来た道がこっちだったから、こっちのハズ.......ってん?」
..............ワ....ザワザワ....
貴「....この音は_________」