第2章 -コトノホッタン-いざ、歌舞伎町へ
貴「..尚ちゃんのお父さんって....確か蓋岐勇治-カサギ イサジ-さんだったよね?」
尚「はい、父は....とても周りの方に慕われていました。」
尚ちゃんの言う通り、蓋岐勇治はとても優秀なグループの長だった。
問題を起こすこともなく、私もコイツは敵に回すと厄介だ...と思ったぐらいの器の人物。
じゃあ捕まったってどういうことだ...?
尚「...しかし、昨日になって友好条約で結ばれていた天人達が強襲してきたのです。」
..........っ!?
それを聞いたときに私は少しの違和感を感じた。
.....なにこれ.....なんか、引っ掛かるような...
その時の尚ちゃんの言葉に小さな違和感を覚えたがいちいち止まってたら話が進まないのでここは口数を減らすことにした。
貴「....尚ちゃんも襲われて逃げてきたってこと?」
尚「.....はい、無数の天人達は私を捕まえてどこかに連れていくようです。逃げているの途中の奇声にそんなことを言っているように聞こえました。」
尚ちゃんはそれだけを言うと事の全てを思いだしたのか肩を震わせ絶望的な目へと変えていった。
尚「蓋岐は....っ..もうおしまいなのかな.....、っ!」
尚ちゃんはやがて悲しそうに俯きながらポタポタと滴をこぼし始めた。
貴「........」
....そりゃ、お父さんが捕まったのに立て続けに狙われて.....
成人もしてない女の子にとったら精神的にもキツいかな..
ま、私も成人ではないんだけどね。
でも.....私も似たような絶望を味わった身....
ここまで来てはいじゃーねーなんてとてもじゃないけど言えやしない。
....助けるしかないよね。
.....トン
貴「.....そんなことはないよ。貴方も貴方のお父さんも蓋岐も......必ず私が助けてあげる。」
私は尚ちゃんの肩に両手を当ててそう答えた。