第2章 -コトノホッタン-いざ、歌舞伎町へ
「ハァっ.....はっ......つか...れました....。」
案の定、走り続けていた彼女の身体は限界の様で木陰に隠れると直ぐに座り込んでしまった。
......でも、まだ青ざめている。
よっぽど怖い人達なのかな......?
座り込んでいる彼女へと顔を向けると、彼女は肩で息をしながらも顔は青ざめたままだった。
貴「..ゴメンね、疲れたでしょう....?でもここまでくれば、直ぐにはバレないからね!」
少しでも安心してくれればと元気よく声を上げるが.....
「.............」
ダメか.........。
それでも彼女は不安を隠しきれないようだった。
貴「えっと...あ、名前!名前聞いてなかったよ....アナタ名前は?」
なんで追われているの.....?と聞く前にそもそも彼女の名を聞くことすら忘れていたのを思いだし彼女へと視線を向ける。
「....えっと.......................私は...蓋岐尚-カサギ ナオ-と申します。」
一呼吸置いて彼女が切り出してきたのは、珍しい名前でお馴染みの名前だった。
貴「...ん?蓋岐......どっかで聞いたことあるよーな......」
尚「はい...天人達と共に星の侵略と西日本中心で大きな組織を作り上げている蓋岐グループです......ご存じありませんか.....?」
貴「.......あー!"貴方も蓋岐私も蓋岐、皆一緒に蓋岐グループ♪"の奴でしょ?」
尚「......恥ずかしながらその蓋岐です。」
そんなのあったなーと思い出す私とは裏腹に彼女は恥ずかしそうに俯いている。
蓋岐グループ......
何年か前から名を馳せている幕府の忠実な組織団体でありながら天人とも繋がっているという縦横無尽な奴等だった気がする。
でも蓋岐は目立った悪い評判もなく、どちらかというと民衆達に慕われている組織のはず、
貴「...でも、なんでその蓋岐の娘さんが追われているの?組織の方々に守ってもらうとか他に色々できることがあるんじゃ」
尚「........父が捕まえられたんです。」
............え?