第2章 -コトノホッタン-いざ、歌舞伎町へ
貴「..え..うわっ..大丈夫!?」
「...ッタタ.....!」
バランスを保って三秒後、なんとかその場の状況を理解できた私は倒れている人に駆け寄った。
貴「..お、女の子?」
「...っ!.........はい、すみません.. !」
私が驚いているとゆっくりと起き上がった彼女はそのまま膝を合わせて私へ頭を下げた。
「ぶ、ぶつかってすみません!ごめんなさいごめんなさい.....!どんなことでもしますから...ゆ..許してください!!」
貴「え?ちょ、ちょっと...!」
そのまま額を地面に擦り合わせて土下座をしようとしている彼女を見ているとなんだかこちらが悪い人の様な気分になってしまった。
このままでは私も落ち着かないので目の前で必死に謝ってくれる女の子をどうにかしようとひとまず声をかけることにした。
貴「..ど、どうしたの!?私、何もしないから..取り合えず顔を上げてよ!」
「..............え、何もしない?」
一瞬の沈黙をさいて彼女はゆっくりと顔をあげた。
あーあ...額が赤くなってるよ..せっかく可愛い顔なのに..
顔をあげた彼女はとても年相応の女の子って感じで可愛らしかった。
短いパッツンな前髪に後ろに結い上げた髪がその顔の幼さを引き立てている、
身長もそれなりに高いしそんなにガリガリでもない、この子は貧しい生活をしてたワケではないのだろう。
しかし、何かひっかかる。
こんな時間に女の子一人じゃ危ないと思うんだけど......
しかも勢いよく走ってきてたし...急いでるのかな?
とにかく、いろんな疑問が浮かんだので一つずつ彼女に問い掛けてみることにした。
貴「よ、よかった..!あっ、私は瑠璃葉!取り合えず貴女、何があったの?」
「...あ、あの方の手下ではないのですか...?」
....どうやら私を誰かと勘違いしたようだ。