第14章 三毛猫の独白。クロ猫の噛み跡
後ろからへばりつくを押し返し2人から距離を取る。知ってるよ、おれ。2人でお揃いのキーホルダーつけてるの。
「別に悩んでないし何も無いから。」
「それなら良いんだけどさ〜。あ、研磨今日夜ウチに来なよ。ついでにゲーム持って来て!」
「えぇ…。面倒くさいんだけど。」
「大阪で美味しいアップルパイ買ってきたんだって!一緒に食べてゲームしよ!パーティーやりたい!!着替えも持って来てね。」
「行く。」
「ぶひゃひゃひゃ!即答かよ、相変わらずアップルパイ好きだなー。」
「ほんとに買って来てくれたんだ。冗談だったのに。」
「そりゃ研磨が食べたがってたものだもん!ちゃんと買ってきますよ。」
「…ありがとう。」
…もしかして、キーホルダーの代わりにアップルパイ買って来てくれたのかな。だとしたらそれはそれで嬉しい。アップルパイの方が好きだし。その方がいいや。
部活が終わり、当たり前のように3人で並んで帰る。
「そういえば、お前今日朝練終わりにコーチに呼び出されてなかったか?なんかあった?」
「あー、うん。今週末から合宿でしょ?朝飯と夜飯作れるかって聞かれた。」
「えっ、人数分の… ?」
「そうなんだよね。だから結構ずっとバタバタしてるかも。自主練の時間には確実に抜けるね。」
「レギュラー陣とベンチメンバーだけとはいえ結構な量だろ、大丈夫なのか?」
「ちょっと重いのと時間が掛かるだけでそこまで大変では無いよ。食材の買い出しは向こうに居る両親が車で手伝ってくれるしね。近くてラッキーだった〜!」
「無理はすんなよ、しんどかったらちゃんと言え〜?手伝える事は俺もやるから。」
「いいよ折角地方に合宿しに行くんだから万全の状態でいて欲しいし、少しでも吸収出来ることが有るならコートに残って欲しい。」
「ブレないねぇ。」
クロはの頭に手を乗せてぽんぽん撫でた。…やっぱり、普通じゃない。
もしこの2人がお互い別で恋人が出来たりしたらどうするんだろ。それはちょっと興味あるな。
「とクロの距離感、おれとか梟谷グループの人達は慣れてるけど、合宿先では気を付けてよ。」
「「えっ?」」
「え?」
なんでそんなびっくりしてるの。おれがおかしいの…?
「そんな俺ら変か…?」
「クロが頭撫でたりするからじゃん!」