第13章 黒猫、揺蕩う
子供みたいにキラキラした目で語る姿は小学生の頃を思い出す。コイツ、このノリと関西弁で周りのヤツらに絡みに行ってめちゃくちゃビビられてたんだよなぁ。
「…クロ、何笑ってんの?」
「いや、変わんねぇなぁと思って。」
「褒めてます?」
「最大限褒めてる。」
「嘘じゃん!」
「あっ、叩くなよアップルパイ傾くって!」
べしべしと肩を叩かれパイを持つ腕が揺れた。あーあ、ぐちゃぐちゃになっても知らねぇぞ。
家に着くと玄関で靴を脱ぎ、俺はそのまま冷蔵庫へ向かった。
「アップルパイは冷蔵庫入れとくけど他のは?」
「常温だからその辺置いといて大丈夫!」
「ハイハイ。風呂沸かしとしたから入って来な。」
「えっ、めっちゃ気が利くじゃん。ありがとう。」
「どういたしまして。」
荷物をキッチン周りに置いて風呂に向かってったの背を見送る。俺も部屋着に着替えるか…。
自室に戻り、着替えだけ済ませてベッドに転がり月バリを開く。パラパラページを捲りしばらく読み耽っていると、部屋の扉がノックされた。
「どーぞ。」
「今いい?」
「何、なんか話?」
「話と言えばまぁ話…?」
「珍しく歯切れ悪いな。」
身体を起こしベッドの縁に腰を掛けてちょいちょいと手招きすればは部屋に入り隣に座った。相変わらず無防備だな、とは思うけどそれより神妙な顔してるのが気になる。
「実はさっき、クロにお土産無いって言ったけどさぁ、あるんだなこれが。」
「え、なになに。何買ってくれたの。」
「じゃーん!たこ焼きの猫ちゃん!」
ゴソゴソとポケットを漁り取り出されたのは言葉通りのストラップだった。それも何故か2つぶら下がってる。俺にこれを…2つつけろと…?
「あ、1個は私のだからね。スマホに付けるんだ〜。」
「…お揃いって事?」
「うん、ダメだった?嫌なら研磨に押し付けるけど。」
「ちょ、嬉しい!すげぇ嬉しいからポケット戻すなって!」
再度ポケットの中に戻りそうな手首を慌てて捕まえる。…まさかがわざわざ揃いのものを俺に渡すとは思ってもみなかった。これはちょっとは自惚れてもいいんですかね。つーか、自惚れるでしょ。
キーホルダーを受け取り早速隣でスマホに付け始めるの隣で俺もスマホカバーのストラップ部分に付ける。