第12章 黒猫、狐に逢う
「どうも。頑張った分頭撫でて。」
「おーヨシヨシヨシヨシ。」
「おいコラ角名ァ!にちょっかい掛けんなや!俺の!幼なじみやぞ!」
「俺らな。」
「の事になるとこの双子めちゃくちゃ面白くない?」
「わかる。」
頭を下げて来たスナリンの悪ノリに便乗して両手で髪をぐっしゃぐしゃになるまで撫で回すと、すかさず侑がキレ散らかす。まるでクロを見ているようであんま遠征した気にならんな。
「ハンっ、俺は明日とデートやからな!せいぜい今だけ喜んどけや。」
「何言うてんの、俺も一緒やろが。」
「男2人連れる事をデートとは言わんのよ。」
「何それ、俺も着いてって良い?面白そう。」
「スナリンも来るん?良いよ!」
「「良くないわ!!」」
「侑と治はシカトしそうだしの連絡先教えて。」
「はーい。」
「なんでやねん、良くないやろ!俺がちゃんと返信したるから交換はナシ!」
「いいやんか別に減るもんやないし。」
「減る!!角名に返信してる時間だけ俺が!!と話す時間が減る!!!」
「いつもよりアホな事言うとる。」
「ちょっと正論気味なのがおもろすぎる。」
騒ぎ立てる侑を無視してスナリンと連絡先の交換を済ませる。何となくスナリンとはおふざけ仲間として仲良くできると思ってたんだよね〜。
「これそっちのバレー部?」
「人のスマホ覗くな治。」
「どれが向こうで出来た幼なじみなん?」
ロック解除しようとしたスマホの画面を治に見られ、続いて侑とスナリンまで覗いてくる。これがさっきプライバシーについて説いた男の行動か?
とはいえ別に見られたくないものでも無いし音駒の現レギュラー陣とユニフォーム着ている時に一緒に撮った集合写真の中で2人を交互に指差した。
「このトサカと髪色プリンの子。プリンの子の方は研磨って言って侑達と同学年でセッターだよ。トサカがクロってあだ名で主将。私と一緒の学年。」
「え、もしかしてって年上?」
「そうそう。言わなかったっけ。」
「…双子と同じか下だと思ってた。」
「失礼〜!敬っていいよ。」
「あ、うん。じゃあ俺向こうだからまた明日。」
「聞いといてドライな反応辞めて傷付く!じゃあね。」
「熱出してまえ!」
「来んでええよ。」