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【HQ】黒猫の足跡

第11章 黒猫、嫉妬する



コートを見渡すと、クロと夜久ちゃんはリエーフを見ており研磨は端っこで休んでる。他の部員たちもサーブ練習したりと動いている為こちらの会話に気付く人達は居なさそうだ。休憩時間なんだから休めよ、とは思うけど。

「んー、私小学生の時こっちに引っ越したんだけどその前は兵庫に住んでたんだよね。バリバリの関西弁だったし、東京来てからノリが全然違くて本当に馴染めなくてさ。虐められはしなかったけど物凄い避けられてたんだよね〜。」

「…意外だなぁ、そんなに違うもの?」

「違うよ!東京の人間、マジ冗談通じない!…いやまぁ、それは良くて。小学生の時って友達居ないの凄い堪えるじゃん?でもそんなの相談出来る人も居ないし、学校行きたくない、ってくらい結構参っちゃった時にたまたま集団下校があってさ。私のランドセルについてたバレーボールのキーホルダー見て声掛けてくれたのがクロだったんだ。」

「あー…なるほど。」

「私も大概バレー好きだったけど同じくらいバレーが好きな子と話せたのが本当に嬉しくて。それからずっと私が標準語に慣れるように一緒に居てくれたし、クロを通じて少しずつ友達も増えたの。だから私にとってクロはヒーローだったし、特別で、1番なんだよ。」

優しいクロが好きだ。そしてバレーが大好きなクロが好き。でも付き合って、もしも別れてしまって、疎遠にでもなってしまったら私は絶対に耐えられない。だから私はクロとはずっと幼なじみでいたいんだ。これは多分、好きというよりも一種の依存なんだと思う。

「…黒尾が聞いたら喜びそうだけど。」

「言うわけないだろ、恥ずかしい。」

「も黒尾も揃って面倒臭い所あるよなぁ。」

「めちゃくちゃ言うじゃん、聞いといて酷くない!?」

「はははっ。」

「いや笑うな。」

「いてっ。」

控えめに海くんの太腿へ蹴りを入れた。全く失礼だな。
練習も再開して、私はいつも通りドリンクを作ったり今日の練習メニューをメモしたりビブスを渡したり回収して洗濯に回したりと走り回る。
そうして部活が終わり、帰り支度を終えると待っていたクロと研磨と肩を並べて帰路につく。
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