第2章 2人暮らし、始めました
「へえ!イイじゃないですか烏野!いつですか?GWとか?」
「まぁな。とにかく、アイツらに頼むぞ。」
「はーい。」
作り終わったドリンクを再び買い物かごに戻し体育館に向かう。結構時間掛かったしそろそろ戻ってくる頃か。その間に空気抜けてるボール無いかチェックしとこ。
籠いっぱいいっぱい入ったボールひとつずつ取り出し指で押し込み弾力を確認する。すると外から聞こえてきた部員達の声。どうやら終わったみたいだ。
出したボールを籠に戻しタオルとドリンクを持って体育館の入口に向かう。
「お疲れー、ハイ。ドリンクとタオル。」
「サンキュー。監督は?」
「今電話捕まってるって。」
戻って来た汗だくのクロにタオルとドリンクを渡しつつ次から次へと戻って来る部員達にも手渡していく。するとひょっこり夜久ちゃんが話に入ってきた。
「何、森然と試合?」
「違う、烏野。」
「烏野!?珍しいなー。」
「もしかしたら近々試合になるかもね。」
「そうか、烏野か…。」
ニンマリと口元に笑みを浮かべたクロ。この顔はなんか悪巧みでもしてるような顔に見える。なんかやらかしそうな…。いや、純粋に嬉しいのか?
「嬉しそうだね、クロ。」
「そりゃあな?練習試合でも戦ってみてーと思うだろ。」
「久々に遠征偵察でもして来ようかな。」
「何で急に。」
「ウチにわざわざ試合申し込むって事はそれなりに自信はあるんでしょ?気になるじゃん。」
「いい一年が入ったのかもな。」
「どうだろうね。」
何でもない会話を夜久ちゃんとクロと話していれば、やっと走り込みから戻ってきた研磨にもボトルとタオルを渡し程なくして体育館にやって来た猫又監督。
烏野に関して特に何か報告する訳でもなくいつも通り部活が始まった。
それからは流れるように時間は過ぎ去りあっという間に夕方。自主練の時間だ。帰る人は帰るし、残る人は残る。バレーに対する意識の高さが如実に現れる時間だと思う。
私は使い終わったタオルを洗濯機に突っ込み回しつつボトルを洗うのに忙しい訳だけど。
「来週は梟谷かー。赤葦くん来るのかなー。」
相変わらず木兎の世話してんのかな。副主将候補って聞いてたけどマジでなったんだろうか。楽しみだなー。