第2章 2人暮らし、始めました
「あ、今日外走るからボトル頼むわ。」
「はーい。」
更衣室近くでクロ達と別れ、私は先に体育館へと向かった。既にネットが張られ元気な後輩達は我先にと自主錬に勤しんでる。研磨は別だけど。
「おはよー。」
「「「おはざーッス!」」」
「クロ達来たらランニング始まるから軽く身体解しておきなー。靴も履き替えてねー。」
「げ…また外…?」
「研磨、サボっちゃダメだよー?」
「…サボらないよ、バレるし。それより、ホントにクロと暮らし始めたの?」
「うん、今日寝坊しそうな所起こされたよ。」
「何もされないように気を付けてね。」
「ありがとう研磨ー!」
「うわ…ちょっと、抱きつくの辞めて…。」
本気で迷惑そうでもお構い無しに研磨を正面から抱き締める。私の癒し。嫌がる顔も可愛いぞ研磨。
プリンだけどサラッサラ髪を撫で回していると、荷物を置き終わったクロと夜久ちゃんが戻ってきた。辺りを見渡すと流石にレギュラーはしっかり揃ってる。
「うし、じゃあ走り込み行くぞ!は研磨離してやれー。」
「私と一緒に走る?研磨。」
「いいからドリンク作って大人しく待ってなよ…。」
「冷たいなー。」
ダラダラ絡んでると本気でクロに怒られるのはちゃんとわかってる為、大人しく研磨を解放してやる。さて、じゃあアイツらが外行ってる間私もドリンク作っておきますか。
部室に向かい自分のロッカーからレモン汁と砂糖、塩、人数分のボトルとタオルを買い物かごに突っ込み外の水道に向かう。別に市販の粉買ってきて良いけど糖分がちょっと高過ぎるからなー。ひとつひとつのボトルに同じ分量の材料を入れて水を注いでは思いっきりシェイクする。これが意外と時間掛かるんだよねぇ…。
「あちー…。」
「おはよう、。今は走り込み中?」
「あ、直井コーチおはようございます。今走り込みですよ。」
「そうか、今猫又監督が電話に捕まっててな…少し遅くなりそうだからもしアイツらが戻って来たら伝えておいてくれるか?」
「はい、いいですけど…練習試合の申し込みとかですか?」
「そう、烏野から何度か連絡があったみたいでな…受けるか検討中だ。」