第9章 黒猫の笑い声
隣でギャンギャン吠え回る2人を無視して、コテを暖め髪を巻く。ストレートは似合わないからやだし、これくらいはしないとね…。
キレーに髪も巻き終え、リビングへ向かう。赤葦くんと木兎、夜久ちゃんは当然ジャージ。私とクロは私服。なんというアンバランス感。
「夜久ちゃんとクロは私の買い物のお供ね。木兎と赤葦くん一緒にお昼食べよ。」
「え、俺も買い物着いてく!」
「何言ってんスか木兎さん…流石にそれは迷惑だから俺達は帰りますよ。」
「えーっ!?イイよな!?荷物持つし!」
「クロと夜久ちゃん居るから…。」
「パフェ奢るし!」
「木兎と一緒にお買い物したいな!!」
「いやチョロ過ぎだろお前。しっかりしろ。」
「あいたっ!デコピンは辞めてよクロ!!」
「じゃあ次からほっぺ抓ろうか?」
「女子になんてことを。ほらほら皆さっさと行こ!お腹減ったんだよ私は!」
リビングで、完全にくつろぎモードの男達を立たせ肩掛け鞄を持って玄関へと向かった。靴箱からお気に入りのショートブーツを取り出し履いて、外に出る。うん、昨日雷だったからかな、やっぱり今日は晴天だ。ちょっと暑いくらい。
「…結構暑いっスね今日。」
「ホントだー、もうちょい涼しければ良いのにな。」
「ま、もうすぐ夏ですし?そういや五月の末に近くの神社で雨祭りじゃ無かったっけ?」
「マジ!?行こうぜ!」
「なんで木兎と…お前はぐれそうだからヤだよ。」
「ちゃんと手ぇ繋ぐから!な!?」
「は毎年俺と研磨と行ってるんですー。」
「去年はバレー部で行ったよな?研磨直ぐはぐれて大変だったー。」
「はぐれたんじゃなくてあれは逃げ出したんだよ。」
「音駒って仲いいスよね。」
「俺らも仲いいじゃんあかーし!」
「え?あ…はぁ。」
「そうだっけ?って顔するの辞めて!」
他愛ない会話をしながら、近くのショッピングモールへいつの間にか到着。日曜日という事もあってカップルから子供連れの家族、とにかく人で溢れていた。
「何食べる?」
「魚。」
「肉。」
「焼肉ーッ!!」
「野菜炒め。」
「ふざけんな。てか昼間っから焼肉は重すぎ無理、和食にしよ。」
「うぇーい!俺いい和食屋知ってるぜ!」
「それ魚料理に限りだろ。いいけどさ。」