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Hello,snow my friend

第2章 雪だるまと冒険家のお話


 夢を求めて遥か遠くまで冒険に来たが、目的のスノーピークが見つからず、俺はヘトヘトだった。
 やはり、そう簡単に伝説の古代都市は見つからないらしい。
 そろそろ引き返そうかと思い始めた頃、目の前に雪がかぶった山が見えて息を飲んだ。神様は俺を見捨てなかったのだ、と。
 準備を整え、さて古代都市を探そうと意気込んだものの、目的の古代都市どころか暗い洞窟に迷い込んでしまい、帰り道すら分からなくなったところに、オオカミの吠え声が聞こえたのだ。
 まさか、ここはディープダークが蔓延る程深い洞窟なのに、オオカミの声が聞こえるはずないと思ったが、その声が確かに大きくなっていて、俺は気づけば誘われるようにオオカミの声を辿っていた。
「ワンワンッ!」
 ようやくその声を間近で聞いた時、確かにディープダークが蔓延る洞窟の中に、二匹の白いオオカミを目視することとなったのである。
 そして、後ろに建つ誰かの家を……。
 どういう変わり者か分からないが、こんなところに家があるということは人間が住んでいるんだろうと思われた。俺の手元にはすでに食料も水も尽きていたので、何か分けてくれないかとか、なんなら地上までへの道を教えてもらおうと家の扉をノックして出てきたその人物に、また驚くこととなる。
「こんちゃっちゃ〜」
 人間、のように見える彼は、快く笑顔で出迎えてくれた。だが近づいただけで分かる人間らしくもない冷気が、彼は人ではないと本能的な何かが俺に囁いた。
「ど、どうも……」
 俺はなんとかそう言いながらも、彼の人間らしからぬオーラから目を離せないでいた。だが、当の本人はあまり気にしていない様子で、ここまで来てくれる人は珍しいからどうぞ中へと案内されるまま、俺は彼の家に招かれた。
 家の中もお察しで、人のそれとはまるで違うものが並んでいた。
 床に広がる苔に干し草のソファ、棚は贅沢にもダイヤモンドで作られていて、そこには鉱石や石材などが雑多に置かれていた。
「適当に座ってて。今、地下水の美味しいお水を用意するから」
 と彼に言われ、どれが椅子なのかも分からないまま床に座ると、そこらをウロついているスノーゴーレムが近づいてきた。スノーゴーレムは言葉を話さないが、ちらちらとこちらの顔を覗き込んで興味津々そうだった。人間の顔を見るのは珍しいのだろうか。
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