第10章 ドズルキノコ人目線
「ドズルさん、食べられそう?」
「食べてみます」
サツキの少し不安そうな顔を横に、僕はMOBクッキーを口にした。
サクッといい音がした。
僕たちキノコ人は水しか飲んだことなかったけど、食べたことのない食感にびっくりした。
「これ、美味いです!」
「良かった〜……あ、カズストライダーさんにも、どうぞ」
ホッとするサツキの顔を見て、僕はこの人間に出会えて良かったなって思う。
僕はサツキがストライダーのカズさんにMOBクッキーをあげているのを見ながら、こう切り出した。
「僕、カズさんと一緒に楽しい世界を作りたいんです」
「えっ」
今でもこの時のサツキの顔が、忘れられないな。