第9章 それから
「ちょちょ、ちょっと待って、MENさん?!」
「なんすか」
私が慌ててMENさんの手を止める。MENキノコ人は不服そうにこちらを振り向いたが、ここで怖気づいたらいけない。
「壁は壊したらダメ。ここから出たかったらここから出ていいから」
と私は扉を開けた。するとMENキノコ人は驚いた顔を見せた。
「え、いいんすか、出て行っても」
「え? う、うん、いいけど……」
「よっしゃ」
「え」
私が扉から離れると、MENキノコ人はウキウキした様子で部屋を出ていき……。
ドタバタドタバタン……!
「え、大丈夫?!」
「なんでこんなところに急な坂があるんすか?!」
「そ、そこは階段だよ! もしかして初めて見た……?」
「カイダン……?」
どうやら、キノコ人との暮らしは、順風満帆とはいかないようである。