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こちら、キノコ飼育係[dzl]

第9章 それから


 そうして、私はキノコ人たちを研究所から連れ出し、とりあえず自宅に連れて帰って来たものの、一人暮らしの女の家である。そこまで広くもないし部屋もない家に、成人男性程あるキノコ人五人を一つの部屋に押し込むような形になったのは心苦しかった。
(いつかキノコ人たちが伸び伸びと暮らせる場所を探さないと……)
 と私は心に決めていたが、私にはまだ心残りがあった。あの研究所には私が担当しているあるMOBを取り残していたからだ。
「狭いけど、ここでしばらくゆっくりしててね」
 私は五人のキノコ人にそう言い、五人分の水と布団を用意した。私が寒がりで良かった。余分に布団があったのだ。
 と考えてふと気づく。そういえばおらふくんキノコ人は冷蔵のない部屋にいて大丈夫だろうか?
「おらふくん、ここ暑くない? 大丈夫かな?」
 と私が聞くと、丸い目をしたおらふくんキノコ人がパチクリと瞬きをした。
「大丈夫よ? アレから出てくる空気涼しいし」
 とおらふキノコ人がそう言ってエアコンを指した。この部屋、私が普段使いしている部屋ではないんだけれども、ここに設置出来るとのことでエアコンがあったのだ。
「それは良かったけど……」
 他のキノコ人たちの管理方法の詳細が分からない。他の四人は私を見つめるばかりで何か文句を言ってくる様子はない。というか、ドズルキノコ人はその場で腹筋し始めるし、ぼんじゅうるキノコ人はすっかりリラックスしている様子で床に寝っ転がっている。おんりーキノコ人は特段変わった様子はないが、MENキノコ人にいたっては黒いキノコを使って壁を壊そうとしてる?!
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