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牧場物語へトリップⅡ

第17章 結婚式


「なぁ、桜。」
「私は、統也さんを愛していますから。」
「・・・あぁ、ありがとな。俺を選んでくれて。」
「私の方こそです。」
「桜は、変わらないな。俺の嫁、世界一可愛い。愛してる。」

景色が変わった。

結婚式は終わり、両親たちも帰途した。私たちの家で、私たちだけが存在している。

「少し早いけど、初夜始めようか。」
「えっ?」

時間は、まだ十五時を過ぎた頃。そう、まだ日が高い。

「今までは制限されていたけど、もう解禁されたんだもんな。バンバン子作りして、いっぱい家族増やしていこう。」

えっと・・・そんな盛大にカミングアウトして、増やしていくものなの?

「何人欲しい?」
「えっ、と、統也さんは?」
「俺?そうだな・・・男女二人ずつ。」
「ひ、一人ずつではなく?」
「そ、二人ずつ。じゃ、ベッド行こう。」

初夜から三日後。

私たちは、新婚旅行に来ていた。私の望みで、行先は北の地方。レンタカーを借りての、自由な旅だ。

自然の中、急に減速させ車を道の脇に寄せた統也さん。

「統也さん?」
「無性に、桜にキスしたくなった。」
「えっ?」

肩を抱き寄せられ、重ねられた唇。

「桜、可愛い。ムラムラしてきた。なぁ、この車デカいし・・・このままどう?」

熱を帯びた目が、私を見ている。

「こ、こんな道端で?」

統也さんは少し考え込んで、再び車を走らせた。良かった、思いとどまったみたいだ。

「地図で調べた時、この先に岬があったんだ。」
「岬?」

確かに、森から離れて海が見えて来た。相変わらず、対向車一台すらすれ違わない。

車が三台ほど駐車できるスペース。勿論、誰もいない。

「海、見るか?」
「うん。」

車を降り二人並んで、岬から海を眺める。

「風も心地いいし、いい景色だな。」
「そうですね。って、統也さん・・・手付きが怪しいです。」
「仕方ないだろ?可愛い嫁と二人っきりなら、ムラムラするもんなんだから。」
「統也さん・・・私の身体が好きなんですか?」
「何言ってんだ。身体だけで終わる訳ないだろ。桜の全部は俺だけのものなんだからな。って、事で・・・諦めろ。」

まさか、こんな大自然の中、車の中で愛し合う事になるとは思ってもみなかった。大概、私も統也さんに甘い。

「統也さん・・・まさか、もう一回?」

二ヤリと不敵に笑う彼。
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