第16章 執着心
「じ、じゃあ・・・私が統也さんの上に乗っていい?」
「そんなのいいに決まってんだろ。最近、俺の上で腰を振るの慣れてきたもんな。」
最初は可愛いヤキモチからだったけれど、こうやって俺を求めてくれるのは嬉しい。俺を桜の中に収めれば、俺を見つめながら腰を振り始めた。
桜の腰を両手で掴み、甘んじて快楽を味わう。
桜の胸は元の世界と変わらずたわわだ。触り心地もいいし弾力も申し分ない。あの担当者がこれみよがしに俺に自分の胸を押し付けて来たけれど、食指は少しも湧かない。
俺が揉みしだくから、最近はより一層に桜の胸が成長している。あぁ、桜も気持ちよくなったのだろう。執拗に擦り付けて来る決まった場所。
俺も合わせて、下から突き上げる。甘い声が俺の名前を呼ぶ。半開きになった卑猥な唇を貪りながら、桜の身体を撫でまわす。
やがて、桜は俺に体重を掛けてきた。どうやら、果てた様だ。荒く呼吸する桜に、俺は強請る。
「今度は、俺から食べていい?」
こんな風に愛し合えば、たまに思い出す。元の世界の元婚約者のこと。アレも、子供が出来たから俺との縁が切れたのかもなと思っている。
そんな事をボンヤリと思いながら、気付いた時には遅かった。そう・・・桜を抱き潰していた。
「あ、悪い・・・。」
「ヤダ、まだ抜かないで。」
「でも・・・。」
「ヤダ、止めないで。」
そうか、これみよがしに桜が見ていることに気付いて俺に近付いて来た担当者のことが気になっているのだろう。
「分かった。間違いなく自力で立てなくなるだろうが、俺が世話してやる。じゃあ、もっと愛し合おうな?嫌だと言っても、もう止めてやれないからな。」
桜に経験は皆無。だから、手加減していたんだがもういい。桜の綺麗な肌にたくさんの執着を付け、心も身体も俺を刻みつけた。
逃げようとした桜を押さえつけ、何度も何度も快楽を植え付けた。俺も大概、正常な思考は放棄。ならば、桜にも俺と同じになって貰おう。
桜の首筋や胸元、内腿など俺の印をつける。最早、俺の執着でしかない抱き方をして薄暗い愛情ですら余すことなく桜に知らしめた。
それから数日後。
工房にあの担当者が訪ねて来た。機嫌のいい俺に、その担当者は何か勘違いをしたらしい。しかし、俺はマイペースに桜を呼んだ。
桜への俺の執着を見て、サアッと顔色を変えた担当者。